日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
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Cibenzoline中毒に対して血液吸着・血液濾過透析が有効であった1例
黒川 陽子渡辺 岳志佐野 克行漢人 恒憲小川 淳尾崎 征史谷口 元昭
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キーワード: 血液吸着, 血液濾過透析
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2003 年 36 巻 9 号 p. 1457-1459

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抄録
血液透析患者に発生したcibenzoline中毒について文献的考察を加えて報告する. 68歳女性, 1982年より慢性腎不全にて血液透析施行されていた. 2002年7月中旬より眼瞼下垂が出現し, その後下肢脱力感, 構音障害が出現したため当科へ緊急入院となった. 本例は上室性頻拍のため約1か月前よりcibenzolineを内服していたため同薬剤の蓄積を疑い血液吸着 (DHP), 血液濾過透析 (HDF) 施行, cibenzolin血中濃度は2,930ng/mLから536ng/mLへと低下し症状も改善した. その後一過性に重篤な低血糖が認められたが中心静脈からの糖補充により改善した.
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© 社団法人 日本透析医学会
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