日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
血液透析施行時におけるメシル酸ナファモスタットの先発品と後発品の比較検討
平島 知圭和泉 雅章三角 文子川越 英子末光 浩太郎成山 真一福本 裕美許林 友璃中西 健
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 39 巻 2 号 p. 105-110

詳細
抄録
メシル酸ナファモスタットは, 出血性病変を有する症例の血液透析施行時の抗凝固薬として広く用いられている. われわれは維持透析患者12名において, 同薬の先発品と後発品使用時における血液透析回路内の析出物の量, および抗凝固薬としての作用をそれぞれクロスオーバー法により比較検討した. 抗凝固薬としての作用は両者で差がみられなかったが, 回路内析出物の量に関しては, 後発品使用時の方が有意に大量であった. 析出物の量に違いが生じた原因としては, 先発品と後発品の添加物の違い, 不純物混入量の違いなどが考えられた. 後発医薬品導入の際には, それが先発品と完全に同じ薬剤とはいえない場合がありうることを考慮して, 作用の強さや副作用に関して慎重に検討する必要がある.
著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top