日本デジタル教科書学会発表予稿集
Online ISSN : 2432-6127
日本デジタル教科書学会第10回年次大会
セッションID: 22B2
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22B(ルームB)
タブレットによる動画撮影・省察 を利用したガスバーナー操作技術向上のための授業実践とその評価
石井 巧秋吉 博之岡 博昭
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抄録

教育ICT環境を実現する取り組みが進められている。理科の指導においては「観察、実験の代替」ではなく、効果的に活用することの重要性が指摘されている。一方、ガスバーナーの使い方については、操作習得のための演示実験や指導法が開発されているものの、点火操作については中学2年生の生徒を対象とした質問紙調査では正答率が9.3%との報告もある。そこで今回、タブレットによる動画撮影・省察を利用したガスバーナー操作技術向上のための授業実践を構想・実践した。本稿ではその授業と学習効果について報告する。 実験操作に関しては、生徒の自信が重要である。そこで、操作技能に関しどの程度自信を有しているかを調査した。「ガスバーナーの実験操作に対する自信」について、岐阜県下の中学校1年生計61名に質問紙調査を行った結果を以下に示す。2割程度の生徒は肯定的に回答した。しかし、4割以上の生徒が、否定的な回答をした。そこで、視覚的に実験操作が学習できるタブレットを活用することとした。 中学校1年生の生徒を対象に、タブレットによる動画撮影・省察を取り入れた授業を実施した。授業の主な流れは、①「デジタル教科書・実験動画による模範操作の確認」、②「実験操作の実施・タブレットによる動画撮影」、③「動画視聴による自己評価・相互評価」、④「授業全体の振り返り」とした。特に授業の中盤である②においてはデジタル教科書や実験動画等のデジタルコンテンツを活用し、タブレットで互いの実験操作を撮影させた。③「動画視聴による自己評価・相互評価」では、チェックリストを用い自らの操作技術について自己評価させた。その結果、生徒は実験中盤な複雑な操作に関し、課題を感じていることが明らかとなった。本実践では生徒が互いの実験操作を撮影・省察する活動を取り入れ、技能の習得状況を自己評価する授業を展開した。今後は更なる実践を通して、省察の効果を検討したい。

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