心電図
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原著
肺静脈隔離術時の心房STa変動の検討
下島 桐東 祐圭山谷 清香若月 大輔田辺 彩夏森 敬善前澤 秀之本田 雄気江波戸 美緒鈴木 洋嶽山 陽一
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2010 年 30 巻 3 号 p. 209-214

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抄録
【目的】電気的肺静脈隔離術(PVI)時,アブレーション(ABL)カテーテル先端電極では単極誘導STa高の上昇が観察されるが,現在までABL中のSTa高の変化についての検討はなされていない.そのためPVI時におけるSTa高の時間経過とその意義を検討する.【対象および方法】11症例,通電時68点の局所電位波形を解析対象とした.PVI時,ABLカテーテル先端電極で単極誘導を記録し,通電中のSTa高の時間経過を記録検討した.ABLは先端8mm電極のABLカテーテルを用い,出力30~35W,電極温度50度設定で30~45秒間行い,通電中単極誘導,双極誘導を記録した.【結果】ABL開始とともにSTaは上昇し,10~20秒でpeakとなり,以後徐々に上昇の程度は軽減するが,ABL終了時はpeak時の88.7%であった.また,ABL終了1分後もpeak時の84.2%を示し,上昇が持続していた.これに対して双極電位はABL後,徐々に減高し,ABL終了時は前値の57.8%にまで減高した.【総括】PVI時,ABLカテーテル先端電極単極誘導のSTa高は通電直後から上昇し,通電中は上昇が持続した.その変化は双極誘導の波高,波形変化に伴っており,ABLの指標の一つになると考えられた.
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© 2010 一般社団法人日本不整脈心電学会
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