心電図
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第27回日本心電学会学術集会 学術諮問委員会指定トピックスより 高齢者の不整脈治療
高齢者における心房細動カテーテルアブレーション治療
一治療成績,手術合併症,長期予後について一
桑原 大志高橋 淳高橋 良英中島 永美子藤井 昭久佐 茂樹大久保 健史藤野 紀之野里 寿史疋田 浩之小堀 敦志武居 明日美佐藤 明青沼 和隆
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2011 年 31 巻 1 号 p. 3-9

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抄録
【目的】高齢者における心房細動(AF)カテーテルアブレーション治療の成績,手術合併症,長期予後を明らかにする.【対象】当院でAFカテーテルアブレーション治療を施行した75歳以上の102例(男性73例,発作性79例).【方法】肺静脈隔離と非肺静脈由来のAF起源焦点アブレーションを基本とし,必要に応じ左房後壁隔離などを追加した.【結果】肺静脈隔離などの一般的治療のみを施行された患者が95例(93%)であった.手術重大合併症が1例(心タンポナーデ1例)に発症した.アブレーション後937±598日の経過観察において,95例(93%)で洞調律が維持された.死亡,新規脳梗塞発症,心不全による入院の複合エンドポイント回避率は,アブレーション後洞調律を維持している患者で高値を示した.【結論】75歳以上のAF患者に対するカテーテルアブレーション治療は,安全に施行可能であり,その後の洞調律維持効果も十分高く,長期予後改善効果も認められた.
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© 2011 一般社団法人日本不整脈心電学会
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