心電図
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原著
小児におけるQT間隔自動計測と接線法による計測の差の検証
須藤 二朗安河内 聰田澤 星一片桐 麻由美
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2015 年 35 巻 1 号 p. 5-14

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抄録
【目的】QT間隔の延長とtorsade de pointes(TdP)の関連は,QT延長症候群などでよく知られている.また,小児循環器医がよく使用するQT間隔計測法である接線法と心電計で自動計測したQT間隔に差があることは知られているが,この差を検討した報告は少ない.小児循環器医の接線法によるQT計測と自動計測の差を検証する.【方法】7歳,13歳,16歳の男女を各200例ずつ,計1,200例で小児循環器医の接線法による計測(II誘導およびV5誘導)と日本光電社製心電計(ECG-1450)による自動計測の結果を比較検討した.【結果】自動計測と接線法の差はII誘導で25.4msec±19.7msec,V5誘導では31.9msec±18.0msec(平均±標準偏差)であり,いずれの誘導でも自動計測のほうが有意に長く計測していた.【考察】QT延長のスクリーニングを行う際には,自動計測と接線法による計測との間に差があることに留意する必要があると考えられる.
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© 2015 一般社団法人日本不整脈心電学会
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