心電図
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原著
心房細動に対する持続ペーシング下カテーテルアブレーションの有効性
櫻井 聖一郎柴田 正慶山日 千明春木 康伸山川 暢子三浦 卓也福田 康司堀田 大介津久井 宏行大堀 克己
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2018 年 38 巻 1 号 p. 5-12

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抄録

EnSiteシステムを用いた心房細動(AF)に対する肺静脈隔離術(PVI)においてより治療の精度を上げる方法として,アブレーションカテーテル先端よりの持続ペーシング下アブレーション(以下,CPアブレーション)法を開発し,その有効性に関して従前の連続焼灼法と比較検討した.【方法】発作性AFに対しPVIを施行したCPアブレーション法群および連続焼灼法群の各群連続8症例(CPアブレーション法群:男性4例,女性4例,平均年齢 68.9±9.9歳,連続焼灼法群:男性6例,女性2例,平均年齢 59.5±9.9歳)に関して,総焼灼時間・総透視時間・手技時間を検討し,また肺静脈隔離後の不顕性伝導および再伝導の有無についても検討した.【結果】CPアブレーション法群で総焼灼時間(23.8±4.3分vs. 29.5±4.6分,p=0.03),および総透視時間(27.0±6分vs. 36.0±6分,p=0.05)の短縮が得られた.手技時間(123.8±9分vs. 113.9±13.5分,p=0.23),および不顕性伝導(8例中4例vs. 8例中2例,p=0.32),再伝導の有無(8例中4例vs. 8例中2例,p=0.32)に関しては差を認めなかった.【結語】CPアブレーション法により,総焼灼時間および総透視時間の短縮が得られた.(心電図,2018;38:5~12)

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© 2008, Japan Science and Technology Agency
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