心電図
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症例
頻拍レートの非常に遅い発作性上室頻拍を合併したBrugada症候群の1例
吉永 仁香髙見 充藤原 竜童山崎 正之堀家 由貴小川 正子友近 美穂藤田 淳子柏山 和行安田 栄泰大嶋 里美中平 純子井神 律香高岡 理恵大井 茂昭西川 寿子今津 直子志手 淳也
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2018 年 38 巻 2 号 p. 81-88

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抄録

症例は,24歳男性.繰り返す失神を認め,他院にてBrugada症候群と診断され,植込み型除細動器植込みをすすめられていた.しかし自己退院し,退院当日に動悸発作があり,当院救急搬送された.来院時,99bpmと頻拍レートの遅い発作性上室頻拍を認め,薬物投与にて一旦停止するも,再発を繰り返し入院となった.電気生理学的検査では頻拍は僧帽弁輪側壁の潜在性副伝導路を介する房室リエントリー性頻拍と診断し,頻拍レートが遅いのは頻拍中のAH時間の延長によるものと考えられた.また,房室結節の順伝導はjump upを2回認め,三重房室結節の存在が疑われた.僧帽弁側壁の副伝導路離断後,房室リエントリー性頻拍は誘発されなくなったが,イソプロテレノール投与下でSlow-Fast房室結節リエントリー性頻拍が誘発され,順伝導のslow pathwayを通電し,終了した.Brugada症候群に頻拍レートの遅い房室リエントリー性頻拍と房室結節リエントリー性頻拍を合併した症例は稀であり,Brugada症候群の原因となるNa+チャネルの機能不全が遅い上室頻拍の発生,維持に関与した可能性もあり,報告する.(心電図,2018;38:81〜88)

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