2024 年 44 巻 1 号 p. 5-12
【はじめに】クライオバルーン肺静脈隔離術(CBPVI)治療中のBalloon deflation(B-def)前後の脳血流速度・波形の変化について分析した.【対象・方法】対象はCBPVI治療を受けた30例.経頭蓋超音波ドプラ(TCD)検査装置を用い,術中片側中大脳動脈(MCA)モニタリングを行った.【結果】B-def後,19(12~28)秒で血流速度は最大変化を認め,脳血管抵抗を評価する拍動係数(PI)と収縮期最大血流速度は上昇した.また,このとき心拍数に変化はなく,末梢血管収縮を評価する拡張末期血流速度が低下することで,平均血流速度も低下した.血流速波形もdecreasing diastolic patternへと変化した.その後,PIは32(19~48)秒で脳血流速度・波形共にB-def前まで回復した.【考察】PI上昇の要因として,冷却血液による末梢血管収縮と循環反射による末梢血管収縮が考えられた.【結語】TCD分析の結果より,B-def後にはMCA末梢に一過性収縮が生じた可能性が示唆された.