2025 年 45 巻 1 号 p. 33-66
遠隔モニタリングは,植込み型心臓不整脈デバイス(CIEDs)患者の管理において早期のイベント発見や定期外来受診回数の削減や死亡率低下などの利点をもたらすことより,CIEDs患者の標準患者管理手段として確立されている.しかし,遠隔モニタリングの普及に伴い,その導入方法や効率的で安全な維持管理が重要な課題となっている.この日本不整脈心電学会(JHRS)ステートメントは,遠隔モニタリングの管理に携わる医療従事者やデバイス製造メーカを対象に,包括的なガイダンスを提供することを目的としている.具体的には,人員配置,ワークフローの最適化,患者と介護者などへの教育,アラート通知設定,生体情報のモニタリング,保険請求などに関する指針が含まれている.また,デバイス製造メーカの責務と,サードパーティリソースの活用やアラート通知に基づく業務量削減などについても述べた.推奨事項は,執筆班の合意に基づき,推奨クラスとエビデンスレベルが設定され,JHRS植込み型デバイス委員会による審査と査読が行われた.