心電図
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総説
瘢痕組織関連持続性心室頻拍に対するカテーテルアブレーション時ペースマッピング法について
花木 裕一
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2025 年 45 巻 2 号 p. 87-95

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抄録

瘢痕組織関連心室頻拍(VT)の治療において,血行動態が安定している場合にはVTの旋回路を同定し,重要な緩徐伝導部位を焼灼することが目標となるが,不安定な場合には基質を同定して焼灼することが中心となる.その中でもペースマッピング法は,心室性不整脈の起源を同定することや,異常な電気伝導経路を特定することで,VTの基質を同定することができるために大変有用な手法で,カテーテルアブレーションの黎明期から広く用いられている.また,三次元マッピングシステムなどの技術の進歩によってVTの伝導回路が三次元的様相を呈することや,機能的基質マッピングにおける遅延伝導特性との関係などが示され,カテーテル治療時にマッピングシステムを駆使してVT回路を三次元的に描出し把握することが重要となっている.本総説では,ペースマッピング法の基本的な知見と臨床での活用方法,そしてその限界について,さらには我々の発表したVT回路の中での伝導遅延部位や障壁によって生じるペースマッピング波形の急激な変化(abrupt change)を参考にした三次元的なVT回路の推定についても概説をする.その他,最新の論文におけるペースマッピング法の新たな知見についても触れている.

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© 2008, Japan Science and Technology Agency
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