心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
ベクトル心電図による下後壁心筋梗塞に合併した右室心筋梗塞の診断
石原 正人安保 泰裕渡辺 佳彦松原 由朗吉田 哲永井 弘野村 真一真野 謙治三ツ口 文寛中野 博高亀 良治勅使河原 敬明水野 康
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 10 巻 1 号 p. 45-54

詳細
抄録
急性下後壁心筋梗塞患者41例においてベクトル心電図を記録し, 右室梗塞の合併の有無によるベクトル環の形態の違いを検討した.
右室梗塞合併群はQRS環初期上方持続時間が延長していた.QRS環の回転方向は左側面にて非合併群のほとんどが反時針式であったのに対し, 合併群は時針式および8字型 (反時針式以外) が多く, 左側面QRS環の回転方向で反時針式以外のものが右室梗塞を合併していたかどうかのsensitivity81%, specificity96%であった.左側面QRS環初期成分では時針式回転で上方へ描かれる型を示すとき, 右室梗塞を合併していたかどうかのsensitivity69%, specificity96%であった.また, QRS20ms瞬時ベクトルの左側面における角度では-135°より大きいものを右室梗塞合併の診断基準とした場合, sensitivity81%, specificity88%であった.これらは右室梗塞合併の診断に有用であると考えられた.
著者関連情報
© 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top