抄録
力エル卵母細胞を用いた機能発現法により, 内向き整流性K+チャネルのCDNA (IRK1) を, また, IRK1とのホモロジーにより, Gタンパク質により活性化される内向き整流性K+チャネルである, ムスカリニックK+チャネルのcDNA (GIRK1) を単離した.これまでによく知られてきた, 膜電位依存性ファミリーに属するK+チャネルは, 膜電位センサーであるS4部位を含む6つの膜貫通部位と, K+選択性の穴 (ポア) であるH5部位を持つ.これに対し, 内向き整流性ファミリーに属するK+チャネルは, 膜貫通部位を2つしか持たず, S4部位はみられなかった.2つの膜貫通部位の間には, H5部位に相当する部分が存在した.内向き整流性K+チャネルファミリーは, 膜電位依存性K+チャネルファミリーの内核部分に相当すると考えられる.