心電図
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自動診断心電計による心筋梗塞診断精度の検討
川口 直美平山 悦之新 博次早川 弘一
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1997 年 17 巻 3 号 p. 301-304

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抄録

自動診断心電計の診断精度を, 臨床的に心筋梗塞の確定診断がなされた82例を対象とし検討した.心筋梗塞の診断は82例中50例 (61%) でなされた.診断部位でみると前壁側壁12例中12例 (100%) , 下壁31例中23例 (74%) , 前壁中隔20例中12例 (60%) , 前壁5例中3例 (60%) で診断可能であったが, 側壁 (4例) とnon-Q (10例) では全例診断しえなかった.そこで異常Q波, ST-Tの変化など梗塞部位に一致し判読しえたものも含め, 診断可能であったとすると, その診断率は全体で84%となり, 診断しえなかった側壁梗塞, non-Q梗塞でも, それぞれ診断率は100%, 60%と改善した.自動診断心電計における「心筋梗塞」の診断は, 異常Q波, ST-Tの変化, R波の減高などの関連所見に慎重に対応することでその診断精度を高め, 読み落としを避けることができると考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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