ヒトのインスリン非依存性糖尿病に類似した遺伝性の糖尿病モデルであるWBN/Kobラットの心室筋の電気生理学的検討及び生体心の心機能を検討した.加齢と共に高血糖状態となった19ヵ月齢のWBN/Kobラットは同月齢の対照ラットに比べ心筋収縮力は減少し, 心室筋の活動電位持続時間が延長していた.basalのL型Ca電流密度はWBN/Kobラットで対照ラットと差はなく, 一方, 一過1生外向き電流密度は減少していた.後者は活動電位持続時間延長の要因と考えられる.Ca電流のイソプロテレノールに対する増加反応はWBN/Kobラットで低下がみられ, これは細胞内情報伝達系の異常によるものではなくβ受容体数の減少によるものと考えられる.