1998 年 18 巻 2 号 p. 139-145
房室結節を巡る最近の展開は房室結節頻拍に対する高周波アブレーション治療に関するものが中心であるが, 元来の機能的関連事項は1) 心房一心室間の収縮間隔をもたらす伝導遅延, 2) 補充 (異所性) 中枢としての自動能, 3) 頻拍発作機序としてのリエントリー回路形成の3つがある.本シンポジウムの導入として, 先ずこれらの歴史的展開と問題点を述べた.房室結節では (1) 二重経路の成立 (2) 自動能の局在 (3) 加重現象等の関与が, 結節入力としては (4) 心房内伝導経路の同定と (5) 心房一結節間の組織的接続が解決すべき問題点である.