抄録
遺伝性QT延長症候群 (LQT) 25例と健常者19例に自転車エルゴメーター運動負荷を, LQT (LQT2の3例を含む) 5例にKCL点滴静注負荷 (20mEq/hr, 1~2hrs) を施行してQTcばらつきの変化を観察した.健常者のQTcばらつきは運動負荷前の72±12msecから負荷後の73±15msecへとわずかに大きくなった.LQT例では負荷前のQTcばらつきが128±65msecと健常者に比較して有意に大で (p<0.001) , 負荷後には155±55msecと有意に増大した (p<0.001) .運動負荷前のQTcばらつきは失神歴のあるLQT7例 (128±54msec) と失神歴のないLQT18例 (126±34msec) との間に有意差を認めなかったが, 負荷後は失神歴のない例が132±42msecと有意の変化を認めないのに対して, 失神歴のある例では184±65msecと有意に増大した (p<0.001) , LQTの5例全例のQTcばらつきがKCL負荷によって軽度ではあるが減少し, QTcの軽度短縮とT波形の軽度改善を伴っていた.