心電図
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標準12誘導心電図の一次微分波形による労作性狭心症の安静時診断
佐々木 暁彦新井 富夫茂田 博山科 章
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2002 年 22 巻 4 号 p. 211-219

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抄録
【目的】標準12誘導心電図 (ECG) を一次微分することにより, 労作性狭心症の安静時診断を試みた, 【方法】対象は安静時心電図が正常な労作性狭心症36例 (AP群) および健常人52例 (N群) .対象全例のECGの各誘導を時定数10msecで一次微分した.絶対値表示したT波の一次微分波形は二峰性であり, 一峰目をT1波, 二峰目をT2波とし, T波の左右対称性の指標値としてT2波高とT1波高の比であるT2/T1比を両群間で比較した.【結果】 (1) T2/T1比はI, V5, V6誘導でAP群はN群に比し有意に低値であった (p<0.0001) , (2) V5におけるT2/T1比<1, 5を労作性狭心症とした場合, 診断率は感度78%, 特異度73%であった, 【総括】T1波高はT波の上行脚, T2波高は下行脚の最大傾斜に相当し, T2/T1比によりT波の左右対称性の定量化が可能である, 安静時心電図上ST-T異常を認めない労作性狭心症においても左側胸部誘導でT波は健常人に比し左右対称化しており, 通常の心電図では判定困難な再分極異常を反映している可能性がある.【結論】ECGにおけるT波の一次微分波形は安静時に心電図異常を認めない労作性狭心症の安静時診断に有用であった.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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