心電図
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チャネル病 (前篇)
古川 哲史
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2005 年 25 巻 1 号 p. 13-25

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抄録
チャネル病は単一チャネル遺伝子の異常によりもたらされる疾患であり, 遺伝病の約4%をチャネル病が占め, そのうちの約40%が循環器系疾患である.QT延長症候群・Brugada症候群などは遺伝子異常・機能異常の解析が進んでいるが, 新たな展開として, 細胞骨格蛋白をコードするankyrin-Bの変異で細胞内Ca2+動態異常を主体とするQT延長症候群, KCNJ2 (Kir2.1) の変異でAndersen (Andersen-Tawil) 症候群, Ca2+チャネルをコードするCACNA1Aの変異でTimothy症候群がもたらされることが明らかとなった.Romano-Ward症候群3型 (LQT3) , Brugada症候群, 家族性洞不全症候群はいずれもSCN5Aの変異により起こることから, Na+チヤネル病とよばれる.また, その他のチャネル病の間にも, 変異遺伝子・表現型にオーバーラップがみられる (overlap syndrome) .
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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