心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
チャネル病 (後篇)
古川 哲史
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 25 巻 2 号 p. 141-150

詳細
抄録
チャネル病研究の進展に伴い, チャネル病を理解するうえで重要な概念が明らかとなってきた.チヤネル蛋白の細胞膜へのトラフィツキング・小胞体蛋白品質管理機構 (Endoplasmic Reticulum-Associated Degradation [ERAD] ) ・ユビキチンープロテアソーム系 (Ubiquitin-Proteasome System [UPS] ) による分解, などが病態発現に深く関与し, 特にトラフィツキング障害はチャネル病の原因としてかなりの頻度に上ることが予想され新たな治療薬開発の夕ーゲットとしての展開が期待される.また同じ家系でも臨床表現型にバリエーションがあるのは, 複合変異compound mutationが存在することが原因の1つであること, de novo変異のメ力ニズムの1つとして親の遺伝子モザイク (遺伝子変異をもつ細胞ともたない細胞の混在) など, 複雑な概念が導入されてきた.チャネル病後篇では, これら新規概念をわかりやすく概説する.
著者関連情報
© 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top