2006 年 26 巻 1 号 p. 28-31
ハロセン麻酔下のエピネフリン誘発性不整脈は麻酔薬誘発性不整脈モデルと考えられているが, 今回ラツトのこの不整脈モデルを用いてATP感受性K+チャネル開口薬のニコランジルの作用を検討した.ニコランジルは用量依存性にエピネフリン誘発性不整脈を抑制し, この作用はミトコンドリアATP感受性K+チャネル阻害剤の5-hydroxydecanoateさらにはL-NAMEの存在下では失われた.このニコランジルの抗不整脈作用機序としてミトコンドリアATP感受性K+チャネルを介し, かつ内因性NOが必要であることが推察される.