心電図
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肺動脈弁上右室流出路を起源とする持続性心室頻拍の一例: アブレーション前後における局所電位波高の変化に関する一考察
中野 恵美原田 智雄中沢 潔脇本 博文佐々木 俊雄米山 喜平田中 修水野 幸一東 伸行長田 圭三高木 明彦岸 良示三宅 良彦
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2006 年 26 巻 1 号 p. 65-73

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抄録

肺動脈弁上起源特発性心室頻拍 (VT) 症例にカテーテルアブレーション (CA) を施行.CA前後のアブレーション成功部位における局所電位波形および閾値について検討し, 興味ある知見を得たので報告する.症例: 31歳女性.早朝睡眠時に20分以上持続する心拍数208/分のVTがみられたため入院.心臓電気生理検査 (EPS) 1回目: 数発の心室期外収縮 (PVC) を認めたのみでVT誘発不能.PVCを指標に肺動脈弁上後壁中隔にほぼ完全なペースマッピング (PM) を得た.CA前後で閾値は4Vと不変, 洞調律時の電位波高もほぼ不変で (0.77→0.81mV) PVCは二段脈として持続.EPS2回目: 1回目と同様のPVCは数発のみを認め, 前回アブレーション部位にてPMが得られ通電.閾値は3Vから9.9V以上に変化, 洞調律時の電位波高は著明に減高 (0.74→0.28mV) した.以後VTおよびPVCは消失.肺動脈内CA部位の電位波高の変化に関して検討を行い, 若干の知見を得たので報告する.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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