心電図
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心房粗細動患者に対するHybrid Therapyの長期経過心房細動再発と洞結節機能の関係
八木 秀樹今井 忍青山 浩八木 洋久代 登志男
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2006 年 26 巻 6 号 p. 841-849

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抄録

【目的】心房粗細動症例に対する右房峡部線状アブレーションと抗不整脈薬治療とを併せたHybrid Therapy (HT) の問題点と有効性を検討する.【方法】対象はHTを施行した心房粗細動49例.洞結節機能障害 (SND) 例には徐脈に対する治療を併用した.【結果】平均観察期間は30±20カ月で洞調律維持率は全体で54%であった.49例中16例 (33%) でSNDを認めた.洞調律維持の関連因子を分析した結果, I群抗不整脈薬で心房粗動への移行が確認された群 (Class I AFL群) と徐脈治療を併用したSND群は洞調律維持に関連していた (p=0.01) .洞調律維持率は徐脈治療を併用したSND群で88%, Class I AFL群で69%であった.心房期外収縮数はHTに徐脈治療を併用したSND群で治療後有意に減少した (p<0.05) .【結語】HTを行った症例の1/3でSNDを合併した.Class I AFL例でSND合併例には, HTに徐脈治療を併用することで高い洞調律維持率が得られた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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