抄録
ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬のCa2+チャネルサブタイプ特異性と, 薬物構造との関連をみる目的で, 非L型Ca2+チャネル抑制作用を有する2つのCa拮抗薬 (アムロジピン, ベニジピン) の光学異性体の作用を検討した, アフリカツメガエル卵母細胞に発現させた, L, NおよびP/Q型チャネルに, アムロジピンとその光学異性体, ベニジピンとその光学異性体DH49βを作用させると, アムロジピンのR (-) 体およびDH49βは, L型チャネル抑制作用を有さなかったが, NおよびP/Q型チャネルは抑制した.一方, アムロジピンならびにそのS (+) 体, べニジピンはL, NおよびP/Q型いずれのチャネルにも抑制作用を示した.したがって, 2つの薬物によるCa2+チャネル抑制作用の光学異性体依存性は, 高閾値型Ca2+チャネルでは, L型チャネルのみに認められる現象であることが明らかとなった.