心電図
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神経調節性失神患者の心拍変動―ホルター心電図とTask ForceMonitorの比較
箕浦 慶乃近藤 誠太塚本 茂人小貫 龍也河村 光晴浅野 拓丹野 郁小林 洋一
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2008 年 28 巻 4 号 p. 285-292

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抄録

失神の既往のある35例 (46.5±20.0歳) と対照10例 (39.4±8.0歳) にホルター心電図とインピーダンス心機能自動計測器 (Task Force Monitor) を用いてheadup tilt test (HUT) を施行した.HUTのみでは10例が陽性で (単独失神群; 44.6±23.2歳) , 薬剤負荷後 (イソプロテレノール0.01μ/kg/min, またはイソソルビド1.25mg/kg) では8例が陽性であった (負荷失神群48.9±21.3歳) , 薬剤負荷後も陰性であったのは17例であった (陰性群) 、HUT中安静時, 失神群 (単独失神群, 負荷失神群陰性群) は対照群に比べHFnuが高値 (p<0.01) で, LFnu, LF/HFは低値 (p<0.05) であった.対照群は起立後HFnuが低下し, LFnu, LF/HFは上昇した.単独失神群では安静時と比べそれらに差は認めなかった.負荷失神群ではHFnuが低下し (p<0.05) , LFnuが上昇したがLF/HFに差はなかった.ホルター心電図では, 単独失神群では夜間のHFが日中に比べ高値であった (p<0.05) .
夜間のHFがホルター心電図で高値を示す症例はHUT陽性になる可能性が示唆された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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