心電図
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遺伝子PKP2の変異が確認された不整脈源性右室心筋症の1例
三宅 誠長岡 伊織貝谷 和昭坂本 二郎樋口 貴文吉谷 和泰本岡 眞琴和泉 俊明泉 知里玄 博允小西 孝堀江 稔中川 義久
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2008 年 28 巻 4 号 p. 295-302

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抄録

症例は生来健康な18歳男性.幼少時から水泳部に所属.16歳時, 水泳の練習直後に失神を起こし当院に搬送された.心電図にて心室性期外収縮やショートランを認めたため入院, 健診で心電図異常を指摘されたことなく, 心臓病や突然死の家族歴もなし.入院後は心電図モニターで非持続性心室頻拍 (非持続性VT) を頻繁に認めた.VT時の12誘導心電図が下方軸+左脚ブロックを呈したため, 右室流出路起源と考えた.心エコー図で右室・右房の拡大を認め, 右室造影検査でも右室拡大と右室流出路の壁運動低下を認めた.以上より不整脈源性右室心筋症 (ARVC) と診断した.β遮断薬内服治療によりVTは減少したが, ときにショートランを認めるため, 3カ月後にアブレーション治療を実施した.以後の病状は安定している.ARVCの遺伝子検査で, デスモゾームの構成蛋白の一つであるplakophilin-2の遺伝子PKP2の変異が発見された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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