心電図
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体表面電位図による心室性頻拍発生部位の推定
―QRS波およびT波マッピングについて―
牛島 聡麻柄 達夫川筋 道雄三崎 拓郎岩 喬
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1985 年 5 巻 2 号 p. 190-197

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抄録

体表面電位図による心室性頻拍発生部位診断を目的として臨床的研究を行った。心室性頻拍12症例および術後心室ペーシング症例20例の電位図を対象として, 心表面上に確認されている最早期興奮部位とQRS波初期およびT波初期の電位図の相関について検討した。QRS波初期40msecおよびT波初期の極大, 極小の体表面上への出現パターンから電位図は右室流出路型, 右室前壁型, 右室下壁型, 右室心尖部型, 左室前壁型, 左室後壁型, 左室心尖部型の7型に分類された。著者らは先にQRS波初期の極小の出現位置が心室性頻拍発生部位推定の良い指標になることを報告した。今回の検討ではT波初期の極大の出現位置が多少のバラツキはあるが, 同様に心室性頻拍発生部位推定の良い指標となり得ることが明らかとなった。

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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