小児の発作性上室性頻拍症8例に対し, 主として経食道心房ペーシングによる臨床電気生理学的検査を行い, somatostatinの効果を検討した.洞結節機能は静注後, 有意の変化を認めなかったが, 房室結節機能は有意に抑制された.また, 副伝導路特性にも影響は認められなかった.Tachycardia zoneは1例で消失, 1例で狭小化し, 1例で不変であったが, 他の5例では拡大した.
小児の発作性上室性頻拍に対し, somatostatinは, 副伝導路に影響を与えず, 主として房室結節に作用することによって頻拍発作の停止に応用できることが示唆された.