抄録
迷走神経刺激にて停止しえた心室頻拍の一例を経験したので報告する.
症例は基礎疾患に拡張型心筋症を疑われた17歳の男性で, 労作時動悸を主訴として受診した.頻拍は150~160回/分の右脚ブロック, 右軸偏位の持続性心室頻拍であった.その電気生理学的特徴は, (1) 運動, Isoproterenol持続点滴下での右室ペーシングにて誘発された. (2) 頻拍停止にValsalva手技第4相, Edrophonium, Phenylephrineなどの迷走神経刺激, Verapamil, ATP, Ajmalineが有効であった. (3) 右室ペーシングで頻拍は停止可能で, 時にDelayed terminationを認めた. (4) Overdrive suppression, Warming up現象を認めなかった. (5) 左室前壁基部が頻拍発生部位と考えられたが, 洞調律時に同部位でFragmentation, Delayed Potentialは認めなかった.以上より, 頻拍発生機序はReentryでは説明し難く, Triggered Activityの関与が考えられた.