1992 年 40 巻 4 号 p. 92-96
東西二極対立の終焉を迎え,新しい国際秩序の形成が模索されている現在,地球環境の保全,安定した食糧保障など人類の直面する諸問題に解決手段を与える科学と技術が果たす役割は大きい。科学技術は人類共通の知的財産であり,この面における国際協力は不可避の流れとなっている。今年1月の米国ブッシュ大統領の訪日の折も,日米のグローバルパートナーシップの一環として科学技術協力が合意されたばかりである。
欧米各国でも工学教育が国の基本政策として取り上げられているが,日本による国際貢献もこの工学教育と基礎研究の一層の振興により成されるべきであり,今後,政・官・産・学が一体となり,人材育成,研究者の活躍する場の整備に向けて努力していくことが望まれる。