抄録
本研究では健康な男性113名(年齢:21.7±2.7歳,身長:171.9±6.1㎝,体重:64.7±9.1㎏)を用いて,膝屈曲筋群に対する筋痙攣誘発テスト(伏臥位において足関節を背屈した状態で左脚の踵を臀部につけるように力を加える)を行った際の筋痙攣の発生の有無と,日常の筋痙攣の発生状況の関係について検討した.その結果,日常の筋痙攣の発生頻度が多い者および膝屈曲筋群に筋痙攣の経験がある者において,筋痙攣が誘発された者が有意に多かった(P < 0.05).113名中56名を用いて,筋痙攣誘発テストを各1週間以上の間隔を空け,計3回行った結果,54名において3回ともに同じ結果が得られた.よって,本研究で用いた筋痙攣誘発テストは再現性があり,日常の筋痙攣の発生頻度および膝屈曲筋群の筋痙攣の経験を反映するものと考えられる.