本研究は女子高校生の性に対する態度と行動の実態を明らかにすることを目的とした.福岡県内の女子高校生209名を対象とし,自記式の質問紙を集合調査法で実施した.対象者の性交経験率は36.4%であり,性交要求は「相手から」が最も高かった.動機は「愛していたから」「好きだったから」といった情緒的動機が高かった. 性に関する知識や情報は学校の授業を通して得るよりも,友人やメディアから多くを得ていた.性に関する知識は保健体育科の授業で学習する内容であるにも関わらず,誤った知識を得ている可能性が示唆された. 「金品の授受による性交」「恋人以外との性交」については性交経験の有無に関わらず,全体の90%以上のものが否定的であった.今後の性教育は,生理学的内容はもとより,あるべき性行動や性の規範意識といった心理的側面に関わる内容の充実が示唆された.