抄録
本研究では競技アスリートにおける一過性運動に対する食欲や血中アシル化グレリン濃度への影響について,肥満者や正常体重者と比較することで明らかにすることを目的とした.対象者は競技アスリート10名,正常体重者10名,肥満者10名の男性とした.対象者は,最高酸素摂取量の50%に相当する速度で走行し,30分間隔でアシル化グレリン濃度と主観的食欲を測定した.その結果,アシル化グレリン濃度はすべての群で一過性運動によって減少したが,競技アスリートにおける空腹感は変化しなかった.肥満者や正常体重者における一過性運動中のアシル化グレリン濃度の減少量は,空腹感の減少量と正の相関関係を示したが,競技アスリートでは示さなかった.競技アスリートによる有酸素運動では,“運動誘発性食欲不振”をもたらさず,アシル化グレリン濃度は,競技アスリートの食欲に影響を及ぼさないことが示された.