抗菌薬の使用状況を適切に評価することは薬剤師にとって重要な役割である.当院においては,2005年12月15日よりカルバペネム系薬の使用許可制度を導入し,抗菌薬の使用状況に大きな変化がみられた.その後は,使用制限の有用性を持続させることが重要な課題であり,適正使用に関する啓発活動を継続的に行ってきた.一方,薬剤師には各診療科の使用量や使用日数を個別に判断することが求められているが,標準的な指標がなかった.今回,1日平均使用量と延べ使用日数の割合を新たな指標として,院内全体および各診療科におけるグラフを作成し評価を行った.結果,ペニシリン系薬,第四世代セフェム系薬,カルバペネム系薬は高用量での使用が多かった.また,ペニシリン系薬,第一世代・第二世代・第三世代セフェム系薬が汎用されており,第四世代セフェム系薬,カルバペネム系薬が少ない傾向であった.いずれの診療科においても,院内基準から逸脱する不適正な使用はなかった.このように,本グラフは抗菌薬の使用量と使用日数を評価する標準的な方法として非常に有用性が高いといえる.