日本環境感染学会誌
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報告
  • 植原 友佳, 新後閑 俊之, 武谷 洋子, 井川 沙希子, 宮前 正憲, 安野 朝子
    2020 年 35 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 2020/03/25
    公開日: 2020/09/25
    ジャーナル フリー

    本邦における麻疹の流行を想定し,当院では2016年から「医療機関での麻疹対応ガイドライン第六版」1)及び「医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版」2)(以下,ガイドライン)に沿って職員の麻疹含有ワクチン接種歴調査を行い,その結果に基づいた追加ワクチン接種を行うという対策をしている2).2017年に行った調査に基づく追加ワクチン接種の対象者は397名で,追加ワクチン実施者は319名である.ガイドライン遵守率は対策を行う前の48%から,対策後は89%まで上昇している.今回ワクチン接種歴の調査に加えて,職員の追加ワクチン接種前の麻疹抗体価の調査も併せて行ったところ,世代別の解析で40歳以上の麻疹罹患世代で70%以上がガイドライン抗体価基準値を超えているのに対し,28-39歳のワクチン1回世代で48%,21-27歳のワクチン2回世代で35%と,若年世代で抗体価が低い傾向にあった.接種歴2回者の中にも,抗体価陰性ではないが,抗体価がEIA法3.0未満の職員が1名存在した.十分な抗体価を獲得していない職員は麻疹を発症する可能性があると思われ,職員の管理上検討する必要があると考えた.

  • 磯目 賢一, 中島 佳代, 池町 真実, 山崎 貴之, 中浴 伸二, 宮川 一也, 永澤 浩志
    2020 年 35 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 2020/03/25
    公開日: 2020/09/25
    ジャーナル フリー

    当院は築25年,地下1階,地上10階の鉄骨鉄筋コンクリート造で病床数475床の地域中核病院である.Evans症候群のためプレドニゾロン45 mg/日にて入院加療中の70歳代女性が本剤投与開始9日目に発熱した.胸部X線写真上の浸潤影に加え尿中レジオネラ抗原検査が陽性となりレジオネラ肺炎と診断された.院内感染を疑い給水・給湯系の調査をしたところ,5~10階の病棟給水栓全てからLegionella pneumophila serogroup 1が検出され,患者喀痰から検出された菌の遺伝子型も一致した.院内感染事例として全ての給水栓で熱湯フラッシング,シャワーホースの消毒・交換,病棟のケア制限などを行った.フラッシング後に任意の82か所で培養施行したところ,分岐された配管に気付いてなかった1か所で持続的に菌が検出された.溜まり水となっていた配管を通るようにフラッシングを行ったところ陰性を確認できた.また転院・退院患者の追跡調査,病院職員の健康調査なども行ったが当該患者以外で新規患者を認めなかった.しかしその後の定期検査では使用頻度が少ない給水栓で再度レジオネラ菌が検出され,バイオフィルム形成による菌の残存によるものと考えられた.フラッシングで陰性化を確認した後もレジオネラ菌が一度検出された限りは配管内でのバイオフィルム形成を念頭においた長期的な対応が必要であり,この経験をもとに当院の対応マニュアルを作成した.

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