日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
原著論文
認定看護師が認識する感染管理の専門的実践とその影響要因
休波 茂子
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 29 巻 3 号 p. 172-182

詳細
抄録

  本研究の目的は,役割を遂行していくうえで感染管理の認定看護師(CN)が認識している専門的な実践を明らかにし,その影響要因を組織的,個人的,仕事・役割的な側面に焦点をあて検討することである.調査対象者は500床以上の総合病院に勤務し,実務経験1年以上ある感染管理のCNとした.調査期間は2010年10月~2011年9月であった.研究方法は,感染管理のCNの語りを通して探索する質的機能的研究手法を用いた.その結果,CNが認識する感染管理の専門的実践への影響は,組織的,個人的,仕事・役割的という3つ側面に分類することができた.組織的な影響として【病棟の看護師長の受け入れ】【病棟の組織風土による弊害】【組織にサポートしてくれる人の存在】の3つのカテゴリー,個人的のもつ影響として【コミュニケーション力】【役割に対するモチベーション】の2つのカテゴリー,仕事・役割による影響として【介入の難しさ】【医師との関係】と【マンパワーとしての限界】【ICTの一員としての役割の遂行】【リンクナースの存在】【CNとしての経験】の6つのカテゴリーが抽出された.これらのカテゴリーは,感染管理のCNの支援体制の方策とすることができると考えられた.

著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top