日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
短報
タゾバクタム/ピペラシリン・バンコマイシン併用群とメロペネム・バンコマイシン併用群の急性腎障害発症リスクの比較検討
川村 ひとみ坂本 拓也斎藤 寿哉諏訪 真知子服部 万里子熊澤 美紀子遠藤 洋子戸島 洋一
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 34 巻 3 号 p. 210-213

詳細
抄録

タゾバクタム/ピペラシリン(TAZ/PIPC)とバンコマイシン(VCM)の併用療法が他の広域抗菌薬とVCMの併用療法と比べ,急性腎障害(AKI)を引き起こすことが海外で報告されている.そこで,AKI発症リスクについてメロペネム(MEPM)との併用療法と比較検討した.AKI発症率はTAZ/PIPC+VCM32.0%,MEPM+VCM 7.9%と有意な差を認めた.多変量解析ではAKI発症のリスク因子としてTAZ/PIPC使用のみ有意な因子(オッズ比6.77,95%CI:1.43-32.09)となった.TAZ/PIPC+VCM併用療法ではVCMトラフ値に関わらず腎機能を注意深く監視する必要がある.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事
feedback
Top