2024 年 39 巻 2 号 p. 47-52
宮崎大学医学部附属病院では,UV-C紫外線照射ロボットを導入し,院内感染対策の強化に取り組んでいる.今回,外来診察室及び患者使用後の病室に対して,紫外線照射前後で環境培養を実施し,UV-C紫外線照射ロボットの照射時間と照射距離,物品構造の消毒効果への影響,UV-C紫外線照射ロボットによる患者使用後の病室への消毒効果を比較検討した.その結果,紫外線照射による一定の消毒効果が確認されたが,照射距離や物品構造,そして塵埃の存在により,十分な消毒効果が得られない可能性があった.物品の構造が複雑で影ができやすい部分や塵埃が集積しやすい場所を中心に通常清掃を行い,UV-C紫外線照射ロボットによる紫外線照射を合わせて実施することで,より高い消毒効果が期待できる可能性がある.