環境感染
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MRSA分離患者数と抗生物質使用量の変化
木津 純子荒野 敬子箕輪 秀子竹内 京子山本 健二川名 尚
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1995 年 10 巻 3 号 p. 15-22

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抄録

1990年4月1日より1995年3月までに東京大学医学部附属病院分院検査部細菌検査室で検査した入院患者の臨床材料から, 黄色ブドウ球菌が分離された患者数, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) が分離された患者数について, それぞれ年度ごとに集計した. その結果, 黄色ブドウ球菌の分離数には変化が無いことと, 1991年, 1992年頃を境にMRSA分離患者数は減少していることが判った. さらに1991年と1994年に分離されたMRSAの各抗生物質別薬剤感受性を調べたところ, セフェム系抗生物質の薬剤感受性が高くなっていることが示された. この変化の要因の一つとして, 抗生物質, 特に第三世代セフェム系の使用量の激減が考えられる.

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