環境感染
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医療従事者および病棟環境からの黄色ブドウ球菌の分離状況とその性状
佐藤 征三浦 富智斎藤 芳彦工藤 肇
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1995 年 10 巻 3 号 p. 8-14

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抄録

弘前大学で院内感染の予防対策を組織だって実施する以前の病院内環境における細菌の汚染状況を把握する目的でMRSAの分離を試みた.(1) 医療従事者および病棟環境からの黄色ブドウ球菌の検出率は23.6% (91/386) であった.(2) 黄色ブドウ球菌中に占めるMRSAの割合は64.8% (59/91) であった.(3) β-ラクタマーゼ産生はMRSAは100% (59/59), MSSAは62.5% (20/32) であった.(4) コアグラーゼ型はMRSAでは全株 (59) がII型であり, MSSAではII, III, V, VII, VIII型に散在し, I, IV, VI型は検出されなかった.(5) 病院環境 (医療従事者と病棟環境) 由来株と患者材料由来株の薬剤感受性パターンには差を認めなかった.(6) MRSAのミノサイクリンに対する感受性はすべて感受性 (+++-++) であったが,(++) を示した株は病院環境由来株の47.5% (28/59) に対し, 患者材料由来株は66.7% (4/6) で, 患者材料由来株が若干感受性が低下していた.

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