環境感染
Online ISSN : 1884-2429
Print ISSN : 0918-3337
ISSN-L : 0918-3337
MRSA院内感染対策としての抗菌カーペットタイルの有用性について
塩谷 譲司林 泉
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 10 巻 3 号 p. 32-36

詳細
抄録
MRSA落下菌対策としての抗菌カーペットタイルの効果を検討した. 抗菌物質インターセプト®を含む抗菌カーペットタイルを頭頸科病棟とリカバリー病棟に敷設して拭い試験を行ったところ, MRSA検出率は既存のプラスチックタイルに比べ頭頸科病棟では61/114 (53.5%) に対し37/228 (16.2%), リカバリー病棟では7/40 (17.5%) に対し9/120 (7.5%) と低下した. ベイパーバックシステムによる清掃後は頭頸科病棟で5.3%とさらに低下した. プラスチックタイルとの菌量比較試験では, プラスチックタイルに比べMRSAは有意に少なかった. 抗菌能力は1年間の観察で低下することはなかった. 抗菌カーペットタイルのメインテナンスは, スターチ粉末による揉み上げ清掃よりもベイパーバックシステムによる清掃がよいと判明した.
著者関連情報
© 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top