抄録
MRSA落下菌対策としての抗菌カーペットタイルの効果を検討した. 抗菌物質インターセプト®を含む抗菌カーペットタイルを頭頸科病棟とリカバリー病棟に敷設して拭い試験を行ったところ, MRSA検出率は既存のプラスチックタイルに比べ頭頸科病棟では61/114 (53.5%) に対し37/228 (16.2%), リカバリー病棟では7/40 (17.5%) に対し9/120 (7.5%) と低下した. ベイパーバックシステムによる清掃後は頭頸科病棟で5.3%とさらに低下した. プラスチックタイルとの菌量比較試験では, プラスチックタイルに比べMRSAは有意に少なかった. 抗菌能力は1年間の観察で低下することはなかった. 抗菌カーペットタイルのメインテナンスは, スターチ粉末による揉み上げ清掃よりもベイパーバックシステムによる清掃がよいと判明した.