1997 年 12 巻 1 号 p. 1-4
中性域の食塩水電気分解産物 (本電解水) のヒト免疫不全ウイルスに対する消毒効果を検討した. 消毒薬に比較的抵抗性を示すとされる乾燥HIV-1感染細胞に対して, 本電解水は20分以内にその感染性を失わせた. また, 本電解水はウイルス粒子内の逆転写酵素を失活させたことから, 少なくともその作用の一つは酵素不活化によるものであると考えた. これらのことから, 本電解水をHIV-1の消毒に用いることができるものと考えられた. また, 本電解水はHBs抗原変性効果を有していることから, B型肝炎ウイルスの感染性を不活化する可能性があることが示唆された.