職場における作業衣等の除菌・消臭・除塵・乾燥を目的に開発された遠赤外線を用いた装置であるクリーンキャビネット (インフラクリーン) について, その除菌効果を検討した. 10
7~10
8 colony forming units (cfu) /m
lに調整した
Escherichia coli, Pseudomonas aeyuginosa, Staphylococcus amus (MRSA) および10
4~10
5cfu/m
lに調整した
Candida albicansの菌液0.1mlを滅菌した試験布に接種し, 室内およびインフラクリーン内に放置した. そのあと, 放置直後と4時間後, 8時間後に試験布に付着した菌数を定量し, その除菌効果を比較検討した. インフラクリーン内に置かれた試験布に付着した菌数は,
E.coli, P. aeyuginosaおよび
C.albicansが4時間後2.5×10
2cfu/m
l以下へ, MRSAは4時間後7.5×10
2cfu/m
lまで減少し, 8時間後には2.5×10
2cfu/m
l以下となった. 一方, 室内に置かれた試験布に付着した菌数は8時間後においても
E.coliが1.3×10
3cfu/m
l,
P. aeruginosaが5×10
3cfu/m
l, MRSAが7.5×10
3cfu/ml,
C. albicansが5×10
2cfu/m
lであった. すなわち, インフラクリーン内に4時間放置すると付着菌は10
2-10
4cfu/m
l以上減少したが, 室内に放置した場合には8時間後でも10-10
3cfu/m
l減少したにすぎない. この結果より, 遠赤外線を利用した装置であるインフラクリーンには明らかに除菌効果があることが確認できた.
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