1997 年 12 巻 2 号 p. 109-112
院内感染防止対策の実態を把握する目的で, 富山県内の病院を対象に院内感染防止対策に関するアンケート調査を行った. 回答率は70% (35/50) であった.回答を得た35施設の内訳は公立病院21, 私立病院14であった.感染対策委員会は, 回答のあった施設の94% (33施設) に設置されていた. 委員会の活動は「職員への教育, 啓蒙活動」, 「感染防止対策マニュアル作り」, 「感染の実態調査」などであった.感染防止対策マニュアルは公立病院で100%, 私立病院で60%が保有していた.感染対策実施上の問題点として, 「予算不足」, 「専門医の不在」, 「職員の非協力」などが挙げられていた, MRSA感染防止対策としては, 「手洗い設備の充実」, 「患者の療養環境の改善」や「抗生物質の使い方」などが重点視されていた. 病院の母体組織や規模に関係なく, ほとんどの施設が感染防止対策に取り組んでいる現状が明らかとなった.