環境感染
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細菌汚染調査からみた病室カーテンの適正交換頻度について
石金 恵子境 美代子村藤 頼子広上 真里子杉政 美雪北川 洋子吉田 郁子中川 輝昭田内 克典水島 豊落合 宏
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キーワード: 微生物汚染, カーテン, MRSA
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1997 年 12 巻 3 号 p. 177-180

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抄録
病室内のカーテンの細菌汚染状態を知り, カーテンの適正交換頻度を知る目的で, 10病室 (一般病室4, MRSA隔離室6) のカーテンに付着している細菌をバイオエアーチエッカーを用い1週間隔で5回調査した.その結果, 下記の成績が得られた.1) 4週間を通じてカーテンの付着菌数の累積的増加は認められなかった.2) 分離菌ではブドウ球菌がもっとも多く, ついでグラム陽性桿菌, 真菌の順であった.3) MRSA隔離室のほうが一般病室より多くの菌数が検出された.4) MRSA隔離室6室のうち2室で濃厚なMRSA汚染が認められた.5) 消毒用エタノール噴霧はいずれの細菌の除菌にも有効であった.以上より, カーテンの交換頻度はMRSA隔離室では患者の退室ごとに, また一般病室では肉眼的汚れに応じ, 年3-4回定期的に交換するのが適当ではないかと考えられた.
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© 日本環境感染学会
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