1998 年 13 巻 3 号 p. 161-166
医療従事者にとって, 注射針等による誤刺事故の回避は積年の課題となっている.今回, 東海地区を中心とした8施設を対象に, 針刺し・切創事故のアンケート調査を行い3828名の回答を得た.
事故経験者の絶対数では看護婦が381名と一番多いが, 職種別比率でみると医師の25.9%が一番高く, 4人に1人が事故を経験しており, 事故を経験した医師の61.9%は報告をしていないという結果であった.
針刺し・切創事故の回避のためには正確な実態を知ることが不可欠で, そのために事故報告システムの完備が重要と考えられる.