抄録
当院の循環式浴槽について, Legionella pneurnophilaの分離状況と浴槽の塩素濃度について検討した. 塩素濃度が0.05ppmの浴槽からはLegionella pneumophilaが分離培養されたが, 0.1ppm以上の浴槽からは分離されなかった. また菌が分離された浴槽において, 塩素濃度を0.1ppm以上に改善したところ菌が分離されなくなった. 以上のことから, 循環式浴槽において, 塩素濃度の管理を十分にすることにより, 菌の増殖を抑制し, レジオネラ肺炎の発症を未然に防ぐことができると考えられた.