環境感染
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臨床実践における手指衛生法としての速乾性手指消毒薬の意義
久田 友治佐久川 廣美仲宗根 勇津波 浩子上原 勝子大湾 知子比嘉 太健山 正男佐久川 廣齋藤 厚
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2004 年 19 巻 2 号 p. 274-276

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抄録

医療や看護の臨床実践における手洗いのコンプライアンスは高くなく, また, 手洗いの評価報告の多くが現場で行われている手洗いとは乖離している可能性がある. 更に, CDCが速乾性手指消毒薬を高く評価した新しい手指衛生ガイドラインを発表した事もあり, 私たちは速乾性手指消毒薬のすり込みを含む手指衛生法を, 医療と看護の現場において評価した.対象を速乾性手指消毒薬のすり込み, 液体石鹸による手洗い, ポピドンヨードによる手洗いの3群に無作為に分け, 手指衛生前後の菌の減少率で比較した. 菌の減少率は速乾性手指消毒薬群 (n=20) で95.5±7.8%, 液体石鹸群 (n=19) で55.2±68.2%, ポピドンヨード群 (n=21) で46.6±54.0%であり, 群間に有意差を認めた (p<0.0001). 今回の結果と新しいガイドラインの教育は医療や看護の臨床実践における手指衛生のコンプライアンスの向上に有意義であると考えられる.

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