環境感染
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消化器外科術後TPN症例におけるカテーテル敗血症の検討
木戸川 秀生伊藤 重彦
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2004 年 19 巻 2 号 p. 293-296

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抄録

消化器外科術後の高カロリー輸液療法中に発症したカテーテル敗血症について, 発生率の推移および, 疾患の種類や手術の緊急性, 合併症の有無, カテーテル挿入日数などによって差があるか検討した. 対象は過去5年間の消化器術後TPN施行症例257例 (待機手術196, 緊急手術61) である. カテーテル敗血症の発生率は全体で10.9%であったが, 中心静脈留置カテーテルの管理マニュアルを作成して以降, 発生率は徐々に減少した. 100カテーテルあたり発生件数および1000カテーテル挿入日数あたり発生件数は, それぞれ待機手術で11.7, 4.3, 緊急手術で8.2, 2.9であった. 疾患別では食道癌, 肝胆膵の癌など侵襲の大きい手術, 術後合併症を有する症例で発症率が高かった.

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