感染制御の基本は交叉感染を防ぐこと, 同時に耐性菌をつくらない抗菌薬の使い方を心がけることであろう.(1) 耐性菌の減少,(2) 抗菌薬のコストの抑制,(3) 術後感染など, 本来おこしてはならない感染症の減少, これらを確認することができれば, 感染制御を行うことの意義が明確になるのではないだろうか. 当院では, 1999年よりInfection Control Team (以下ICT) が結成され, 2002年までの耐性菌を抑制する点にも重点をおいた活動の前後で,(1) 緑膿菌の耐性率の推移,(2) 抗菌薬のコストの変化,(3) 手術部位感染サーベイランスによる術後感染率の変化を経時的に検討した. 米国の感染制御のあり方と比較検討を行った.